フリーダムすぎるラーメン屋  ようこそ 今俺のいる場所へ Ⅲ

RitaE / Pixabay

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目が覚めるとバスの中 ボーとして頭で俺は窓の外を見る

いけないあぶねぇ 乗り過ごすとこだった

次が降りる停留所じゃないか 俺はあわてて降車ボタンを押す

 

降りる際に乗車の時整理券を取り忘れたことで運転手とトラブった

何だコイツ態度の悪い たしかに悪いのはこっちだがお客なんだぞ一応

俺は金を料金箱に叩きつけてバスを降りた 運転手が何か喚いているが知ったことか

チッ 気分が悪い

 

それにしてもこの町に来るのは久しぶりだ

俺はかつてこの町の大学に通っていた 卒業して町を離れてからは随分とご無沙汰だ

繁華街に足を向ける ここも他の地方都市と変わらずかつての賑わいはなくなっている

約束の時間までまだ時間がある どうしようか

そうだこの先に確か昔よく行った古本屋があったな

俺はそこへ向かうことにした 時間潰しに丁度いい

けれどそこには懐かしき古本屋はなかった 代わりに店を構えていたのはラーメン屋である

 

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そのラーメン屋は全国展開している有名な○○だ 今俺が住んでいる町にもある 味のほうは無難、可もなく不可もなくってとこだが

でも何か妙だ 普通この手のフランチャイズの店は何処へ行っても同じ外観の店構えのはずだがかつての古本屋の建物を何の改装もしなくてそのまま使っている

おかしいのはそれだけではない ラーメン屋なのにオープンテラスのカフェのようなスタイル

かつて古本屋だった時に店の前のせまい駐車場のスペースにドンと大きなテーブルが一つ その周りを囲むように客が座っている そしてテーブルの奥一角に定員とおぼしきオヤジが一人陣取り調理をしている

そのオヤジの恰好も変だ ○○の店の服を着ていない そこらの飲み屋の主のような恰好 有り得ない しかも見たところそのオヤジひとりで店を切り盛りしているようだ

オヤジの周りには食材が置かれている 魚の切り身のかたまり、大きな貝、タコの足

何だ?ラーメンの食材というよりまるで寿司ネタだ たしかこの店海鮮ラーメンはなかったはず

しかも保冷もせずテーブルに直接置いてある あれでは腐るだろ

自分が勘違いがしているのかと思い看板を見直す

だがどう見ても○○の看板だ ここは系列の新しい業態の店なのか それにしてはおかしすぎる こんな薄汚れた裏通りの閉店寸前の飲み屋のような店なんてありえない

あのオヤジ まさか親会社の意向をまるっきり無視して好き勝手にやっているのか?

いやこんなフリーダムすぎる店なんて許される訳がない

客は誰もおかしいと思わないのか? 席も結構埋まっているし

どうなっているか確かめたいと思い 俺は店に入ってラーメンを注文した

でそのラーメンなんだが 見た目は○○のラーメンそのもの 味はというと…間違いなく○○の味

何なんだこれ ていうかテーブルの寿司ネタにしか見えないものはなに? どこに使っているの?

頭が混乱しながらオヤジの雰囲気が怪しすぎて聞く気にもならない 俺は黙って店をでた

 

店を後にして暫くしてから俺は金を払うのを忘れていたことに気付く

まあいいや あのオヤジ、バスのクソ運転手みたいに喚いていなかったし

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